相続書類の有効期限|大阪市淀川区の白石司法書士事務所
盆休み明け最初の1週間も後半戦ですが、なかなか身体が慣れてこない方も多いのではないでしょうか。ピークが過ぎたとはいえ、まだまだ残暑も厳しいので涼しくなるまで気を抜かずに頑張っていきたいところです。
さて、本日は相続登記の書類有効期限についてです。
やはり盆休みでご親族が集まった際に相続の話し合いをしたご家庭も多いようで、この時期は相続関係のご相談を多く頂きます。
そんなご相談の中で今週多かったお問い合わせは「戸籍や印鑑証明書の有効期限について」でした。
結論から申し上げますと、相続登記に使用するという前提で言えば、基本的に戸籍も印鑑証明書も有効期限はありません。
ただし、一部注意しないといけないポイントもありますので、今回はそのご案内をしたいと思います。
まず、相続登記に必要な書類として代表的なものは以下のとおりです。
・被相続人(亡くなられた方)の出生~死亡までの戸籍謄本
・被相続人の住民票除票 または 戸籍の附票
・相続人の現在の戸籍謄本
・相続人の住民票
・印鑑証明書(遺産分割協議をする場合)
このうち、被相続人に関する書類(戸籍謄本・住民票の除票・戸籍の附票)については有効期限はありません。
仮に10年前に亡くなられていたとして、8年前に取得した戸籍を使って相続登記をする…というような事も問題はありません。
戸籍は官庁の保存期間などもありますので、逆に古い戸籍が有用な場合もあります。
一方で相続人の現在の戸籍謄本については注意が必要な点があります。
それは被相続人の死亡後に取得した戸籍謄本でなければならないという点です。
例えば、被相続人が5年前に亡くなられた場合、6年前に取得した戸籍謄本で相続登記は出来ません。
死亡後に取得した戸籍謄本であれば有効期限はありませんので、この例で言えば4年前に取得した戸籍謄本で相続登記は可能です。
ただし、古い戸籍を使用する場合の条件として、現在の戸籍内容と同じものであるという事には注意が必要です。(例えば被相続人が亡くなった後に婚姻で氏が変更されている場合などは、亡くなった後に取得した婚姻前の戸籍謄本があっても利用は出来ません。)
上記以外(相続人の住民票・印鑑証明書)についてはいずれも有効期限はありません。
こちらも古いものと現在のものの内容が同じであることが条件となりますので、取得後に引っ越しをしたり、届け出た印鑑を変更している場合には新しいものが必要となります。
ただし、印鑑証明書に関しては遺産分割協議書作成時点においての内容と同一であれば問題がありません。
例えば以下のような条件であれば、現在の印鑑証明書と内容が違っていても使用可能です。
(1)被相続人が10年前に死亡
(2)9年前に遺産分割協議書を作成、相続人各自が印鑑証明書取得
(3)相続登記までに相続人が引っ越し・印鑑変更など
(4)9年前に作成した遺産分割協議書・当時の印鑑証明書を利用して相続登記
印鑑証明書については、各種手続きで3ヶ月という有効期限が設けられていることも多いのですが、相続登記に関しては以上のとおりとなります。
もし相続登記をご検討の方で「以前に別の相続で戸籍謄本を使用した」という様な場合は一部が流用できる可能性も高く、その場合は費用軽減にも繋がります。
どの戸籍が流用可能であるかの判断は専門知識がないと難しい場合もありますので、ご不明な点はぜひ大阪市淀川区の白石司法書士事務所にご相談下さい!
2019年08月22日 10:20