相続登記(4)|大阪市淀川区の白石司法書士事務所
当事務所では1月7日より本年の業務がスタートしましたが、長期休暇明けということで1週間が非常に長く感じてしまいますね。
とはいえ、明日からは三連休の方も多いと思いますので、もうひと頑張りというところで本ブログも更新していきたいと思います。
本日は相続登記シリーズ第4弾、内容は引き続き相続登記の必要書類についてです。
前回は主に役所で取得する書類のご案内をしてまいりましたので、今回はその他の必要書類についてご案内したいと思います。
なお、今回ご案内する書類についても、全ての書類につき各1通必要です。
(6)不動産の課税明細書 または 評価証明書
相続登記を申請する場合には「登録免許税」という税金を納めなければなりません。
これは登記名義の書換手数料にあたる税金で、不動産の評価額の0.4%が税額となります。
この税額を算出するために必要なのが「不動産の評価額」という数字です。
これは役所が「役所はあなたの不動産を○○円と評価しているので、○○円の固定資産税を払ってもらいます」というように、税額を決める基準としている金額であり、時価(売買の相場)とは異なります。
不動産評価額を知る方法はいくつかあるのですが、ポピュラーなのは次の2点です。
①課税明細書を確認する方法
課税明細書というとピンと来ない方が多いかも知れません。
不動産をお持ちの方のご自宅には、毎年4月頃に固定資産税の通知が届いていると思います。中身は税金の振込用紙などですが、そこに課税明細書も同封されています。
役所によって多少名称は異なりますが、「評価額」「不動産価格」などの名称で記載されているのが不動産評価額となります。
この方法のメリットは「無料で評価額が確認できる」という点に尽きます。
但し、課税明細書に記載される不動産は基本的に「課税対象の不動産」のみという点に注意が必要です。
例えば自宅前の道路部分も一部所有しているといった場合は、そこが非課税となっている場合があり、その場合は課税明細書に記載がされない時があります。(固定資産税の対象とはならずとも、不動産登記をする場合は課税対象となる場合があります。)
その場合は次の評価証明書を取得する必要があります。
②役所で評価証明書を取得する方法
お手元に課税明細書が見当たらない場合は、役所で評価証明書を取得する方法があります。
相続登記前の不動産は被相続人の名義ですので、証明書の取得にあたり、取得者が相続人であることを示すため、戸籍謄本のコピーを添付する必要があります。
(7)権利証書 または 登記識別情報(※住民票除票等が不足する場合)
被相続人の住民票を取得していると、「既に廃棄されています」と言われる事が結構あります。
これは役所の書類保管期限に引っかかるのが主な原因です。
住民票は亡くなったり、住所移転して市区町村が変わったりしてから5年で廃棄されます。
例えば被相続人の住所履歴が
A市(登記簿) ➡ B市へ住所移転 ➡ C市へ住所移転 ➡ 死亡
というような場合、C市の住民票除票は比較的容易に取得可能だと思いますが、C市のものだけでは、B市からC市に引っ越してきましたという記載しかなく、その前のA市の記載がありません。
そのため、B市についても住民票除票を請求しないといけなくなるのですが、C市への転居から5年以上経っている場合は、既に廃棄されているので取得出来ません。
このままでは、戸籍上の被相続人と登記簿上の被相続人が同一人であるという証明が出来ないこととなります。
そこで登場するのが権利証書(または登記識別情報)です。
「権利証書まで持っているのだから、住所が繋がらなくても同一人です」ということとなり、登記申請が進められることとなります。
また、「住民票の除票等が廃棄されており、権利証書も見当たらない」という場合でもご安心下さい。この場合は相続人全員から上申書を提供することで住民票の代わりとすることが出来ます。
但し、これらはいずれも奥の手ですので、取得費用節約のために「住民票除票や戸籍の附票を取得せずに権利証書を使う」ということは出来ません。
なぜなら、権利証書を使う場合も上申書を使う場合も、可能な限り取得した住民票除票等を一緒に提出する必要があるからです。
(8)戸籍謄本の廃棄証明書
これは独立して必要書類としてご案内する程のものでもないのですが、(7)で住民票不足の場合をご案内したので、戸籍が不足する場合もご紹介します。
以前は戸籍が不足した場合でも、住民票同様に権利証書と上申書の提出が求められていました。
しかし、現在では戸籍が不足した場合は「戸籍の廃棄証明書」で足りることとされています。
そのため、役所に戸籍を請求する際には「廃棄分がある場合は廃棄証明書もください」と伝えて頂ければスムーズかと思います。
今回はかなりイレギュラーな部分にも触れましたが、以上が相続登記に必要な書類です。
基本的には前回ご案内分と評価証明書となり、不足がある場合には(7)以降も必要となるということになります。
このブログを書きながら改めて思いましたが、相続における書類の収集は慣れていないと本当に面倒ですね。昔に比べると多少書類は見易くなっていますが、まだまだ「どこに何が書いてあるか」は分かりにくいと感じます。
「煩雑な手続きに時間を取られたくない」「途中までやってみたが最後まで出来る自信がなくなってきた」といった方は、専門家である司法書士にご相談される事をおすすめ致します。
当事務所では印鑑証明書の以外の全ての書面は取得の代行が可能です。
別ページでご案内している報酬額には取得代行なども全て含んだものとなっており、追加報酬はありません。
白石司法書士事務所では全国どこの物件でも対応が可能です。是非お気軽にご相談下さい!