遺言書の作成(3)|大阪市淀川区の白石司法書士事務所
前回は「ようやく暖かくなってきました」と書きましたが、なんだか急に寒くなってきましたね。連日の天気予報では寒の戻りだと言われていますので春の到来まであと一歩。今年の冬はさほど寒くはありませんでしたが、やはり穏やかな季節は待ち遠しいです。
さて、今回は遺言書の種類第2弾ということで、公正証書遺言についてご案内したいと思います。
白石司法書士事務所における遺言のご相談で、最終的に選ばれる確率が1番高いのがこの公正証書遺言です。
まずは、公正証書遺言とは以下のようにして作られる遺言書です。
・公正証書遺言
1.証人2名以上の立会いのもとで
2.遺言者が公証人に内容を伝え
3.公証人が内容を筆記したうえで間違いないか読み聞かせ
4.遺言者と証人が内容確認後、署名押印する
自筆証書遺言が1人で手軽に書けることと比較すると、遺言者・公証人・証人2名以上と最低でも4名の関与が必要となります。
公正証書遺言のメリットは以下のとおりです。
①遺言書が、遺言者の手元だけでなく公証役場でも保管されるので紛失の恐れがない
②公証人が遺言書に関与し内容を精査するため、記載が無効となる恐れがほとんどない
③効力発生時に家庭裁判所の検認手続が不要
④自筆が困難な方でも文章は公証人が作成してくれるので、口頭で内容を伝えれば良い。
それでは順にご案内します。
まず①です。
自筆証書遺言は書いた事を秘密にしている場合、相続人がそれを発見してくれるかどうかは分かりません。
しかし、公正証書遺言であれば、公証役場に遺言書が保管されているかどうかを検索することが出来ます。そのため、遺言を書いた事を伝え忘れたとしても発見される可能性は高くなります。
次に②です。
これは公証人という法律専門家が関与するので、当然とも言えます。もちろん、自筆証書遺言による場合でも、司法書士のような法律専門家がアドバイスする場合は同等です。
それから③です。
これが一番大きいメリットではないでしょうか。
公正証書遺言は公証人が証人の立会いのもとに、遺言者に対し内容が間違いないかを確認しており、また原本が公証役場に保存されることから、遺言書が改竄等される恐れはありません。
そのため、相続人の前で「これが被相続人の遺言ですよ」と知らしめる検認手続が不要となります。
これにより、遺言書で財産を相続すると書かれている相続人は、すぐさま各種相続手続きをする事が可能となります。
最後に④です。
ご年配になってくると、文字を書くのが大変になってくる場合もあろうかと思います。
公正証書遺言は公証人が文案を作成するため、内容を伝えれば完成します。(もちろん相応の資料は提供する必要があります。)
ここまでメリットを並べると、公正証書遺言が自筆証書遺言に劣る部分はないかのようにも思えますが、そこは一長一短ということでデメリットも存在します。
公正証書遺言のデメリットとしては
①内容を秘密にしにくい
②遺言書作成費用がかかる
③原則として公証役場に行かなければならない
の2点が挙げられます。
①については公証人および証人2名の最低3人に内容が知られる事となります。
とはいえ、公証人には守秘義務がありますので、知られても口外されることはありませんが、証人はそうもいかない場合もあります。
ところで、証人は誰でも良い訳ではなく、以下に該当する方は証人となることが出来ません。
・未成年の方
・遺言で財産をもらう方およびその配偶者・直系血族
・公証人の配偶者および4親等内の親族
・公証役場の職員など
よって、ご家族以外の方等を証人に選ぶ必要性が出てきます。
口が堅い方を選ばれれば大丈夫、と言えなくもないですが、ご友人などを証人とするとひょんな事から内容が漏れるということもあり得ます。
より秘密を守りたいとお考えの場合は、司法書士などの職務上守秘義務が課せられている法律資格者を証人とされるのがオススメです。当然、白石司法書士事務所でも公正証書遺言の証人立会は承っております。
①のデメリットはなくすことが可能ですが、②は残念ながらなくせません。
また、併せて③のデメリットもご案内します。
遺言作成の費用は、「遺言書に記載する財産の価格」「相続財産を渡す人の人数」「公証人の出張の有無」です。
デメリット③で、原則公証役場に行かなければならないと書きましたが、公証役場まで行くのが困難な方に対しては自宅や病院まで出張してもらう事が可能です。
よって、デメリット③はデメリットにならない場合もあるのですが、出張してもらうと費用が1.5倍に跳ね上がるため、②のデメリットがさらに大きくなります。
また、司法書士等に証人になってもらう場合や、公証人との打ち合わせを任せる場合にはその費用も必要となります。
お客様には上記のメリット・デメリットをご案内した上で、どの方式によるかを選んで頂くのですが、やはり「費用は多少かかってもいいから後の手続きが面倒でないものが良い」とおっしゃられる方が大多数です。
そもそも遺言書を書こうという時点でご自身の死後について考えておられるのですから、これは当然といえば当然のご意見です。そのため、白石司法書士事務所では公正証書遺言をご案内することが一番多くなっています。
面識のない公証役場にいきなり行くというのはなかなかハードルが高いものですが、白石司法書士事務所では遺言内容のヒアリングから公証役場との打ち合わせ、証人の立会という公正証書遺言の一連の流れをお手伝いする事が可能です。
遺言書を作成してみたいけど、何から始めれば良いか分からないという方は、是非一度大阪市淀川区の白石司法書士事務所へご相談下さい!